就職と同時に上京してきました。
今は丸の内の不動産会社で営業マンをしている"マミ"です。
一人暮らしの女性を狙った住居侵入事件が大きな社会問題となっています。警視庁の統計によると、住宅への侵入事件の被害者の約4割が女性の単身世帯であり、その多くがベランダからの侵入被害となっています。
多くの女性が玄関の防犯対策には気を配りますが、意外と見落としがちなのがベランダからの侵入対策です。しかし実際には、侵入犯の多くが人目につきにくく、侵入の痕跡が残りにくいベランダを狙うことが報告されています。
本記事では、なぜ女性の一人暮らしのベランダが狙われやすいのか、その理由と具体的な防犯対策について解説します。一つ一つの対策を確実に行うことで、より安全な住環境を作ることができます。
参考文献:
・警察庁「令和4年の犯罪統計」 https://www.npa.go.jp/toukei/soubunkan/R04/pdf/R04_ALL.pdf
・警察庁「住まいる防犯110番」 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
もくじ
女性の一人暮らしでベランダが狙われやすい理由
ベランダは見落としがちな場所ですが、犯罪者にとって最も狙いやすい侵入口の一つとなっています。建物の構造上の特徴や、住人の生活習慣によって作られる隙を、犯罪者は常に狙っています。以下、具体的な理由を見ていきましょう。
足場がある
マンションやアパートのベランダには、エアコンの室外機設置台が格好の足場となってしまいます。本来は保守点検のために必要な設備ですが、この台を使って隣接するベランダへの移動が可能になってしまいます。
特に低層階では、この足場からベランダへの侵入が容易になります。また、物干し竿や手すりも不審者の足がかりとして使われる可能性があり、設備そのものが防犯上の弱点となっているのです。
ベランダ周辺の環境が侵入を容易にする
建物の周辺環境も重要な要素です。
植え込みの樹木が建物に近すぎる場合、枝を伝って上階のベランダまで到達できてしまう危険があります。また、ゴミ置き場に積まれた収集ボックスも要注意です。
特に資源ゴミの回収日前は、段ボールなどが高く積み上げられがちです。これらが踏み台として使われないよう、管理会社と連携した対策が必要不可欠です。
死角が多い
ベランダは建物の構造上、道路からは見えにくい場所になっていることがほとんどです。特に、建物と建物の間や裏側に面したベランダは、人目につきにくい死角となってしまいます。
さらに、プライバシー保護のために設置された目隠しパネルや、干された洗濯物が不審者の隠れ場所となることも。防犯カメラの死角になりやすいという特徴も、犯罪者に狙われる理由となっています。
窓が大きく開放的
ベランダに面した掃き出し窓は採光や通風のために大きく設計されており、開口部が大きいほど侵入のリスクも高まります。特に夏場は、暑さのあまり窓を開けたまま就寝してしまうケースも少なくありません。
また、窓の施錠金具だけでは防犯性能が十分とは言えません。補助錠の未設置や防犯フィルムの未使用は、犯罪者に侵入の機会を与えてしまう可能性があります。
生活スタイルが把握されやすい
夜間の室内照明とカーテンの使い方が、防犯上の大きな課題となっています。カーテンを開けたまま照明をつけていると、部屋の様子が外から丸見えになってしまいます。
不審者はこの状況を利用して、在宅状況や部屋の間取り、さらには貴重品の場所まで把握してしまう可能性があります。生活パターンを読み取られやすいことも、一人暮らしの女性が狙われる理由の一つです。
女性の一人暮らし必見!効果的なベランダの防犯対策
ベランダの防犯対策は、日々の習慣づけと設備の整備の両面から考える必要があります。以下では、すぐに始められる具体的な対策を紹介します。一つ一つ確実に実施することで、より安全な住環境を作ることができます。
ベランダに物を置かない
ベランダは本来、避難経路としての機能も持っています。しかし、植木鉢や収納ボックスを置くことで、不審者の足場になってしまう危険があります。
特に手すり付近には物を置かないようにしましょう。必要最小限の物だけを置き、定期的な整理整頓を心がけることが重要です。使わないものは室内に収納するか、思い切って処分することをお勧めします。
カーテンの色を工夫する
防犯対策として見落としがちなのが、カーテンの選び方です。白や薄い色のカーテンは室内が透けて見えやすいため要注意です。
暗めの色や遮光性の高い素材を選び、必ず二重カーテンを設置することをお勧めします。外出時はもちろん、在宅時も必ずカーテンを閉める習慣をつけましょう。これだけで、室内の様子を見られるリスクを大きく減らすことができます。
窓に防犯フィルムを貼る
ガラスは物理的な力に対して弱い素材です。防犯フィルムは、ガラスが割られても破片が飛び散りにくく、侵入を防ぐ効果があります。
補助錠や警報装置と組み合わせることで、より高い防犯効果を発揮します。防犯設備は必ず複数組み合わせて使用することが、専門家からも推奨されています。
防犯グッズを設置する際の注意点
防犯グッズは信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。安価な製品は耐久性に問題があることも多く、かえって危険です。
取り付け後は定期的な点検も欠かせません。防犯カメラやセンサーライトは、電池切れや故障がないか、月に一度は確認するようにしましょう。
ベランダ以外も防犯対策を
ベランダの防犯対策と併せて、近隣住民や管理会社との連携も重要です。不審者や不審な出来事を見かけた際は、すぐに警察や管理会社に連絡する習慣をつけましょう。
また、女性の一人暮らしであることを外部に悟られないよう、表札やポストの表記にも気を配る必要があります。防犯意識の高い物件選びや、日頃からのコミュニケーションづくりなど、総合的な防犯対策を心がけることで、より安全な一人暮らしを実現できます。
さらに、玄関周りの防犯設備の見直しも忘れずに行いましょう。防犯カメラやセンサーライトの設置、ドアスコープの活用など、複数の対策を組み合わせることが効果的です。日中でも油断せず、在宅時も必ず施錠を心がけ、見知らぬ人からのインターホン応対は特に慎重に行うようにしましょう。
まとめ
ベランダは防犯上の弱点になりやすい場所です。しかし、適切な対策と日々の習慣づけで、多くのリスクを軽減することができます。
本記事で紹介した対策を一つずつ実践し、定期的に見直すことで、より安全な住環境を作ることができます。不安に感じることがあれば、一人で抱え込まず、警察や管理会社に相談することをお勧めします。