

就職と同時に上京してきました。
今は丸の内の不動産会社で営業マンをしている"マミ"です。
「東京に住んでるの?いいなー、都会だね!」と言われて、思わず「いや、都心から離れてるし…」と弁解したくなった経験はありませんか?
実は都会の境界線はとても曖昧で、人によって感じ方が大きく異なります。駅前にスタバがあれば都会と感じる人もいれば、高層ビルが立ち並ぶエリアでないと都会と認めない人もいるでしょう。
このどこからが都会かという議論は尽きることがなく、SNSでも定期的に盛り上がるテーマとなっています。
特に上京したての方にとっては本当に都会に住んでいる実感を得られるかどうかは大きな関心事かもしれません。
今回の記事では、人々が感じている都会ラインの基準を探りながら、行政的な定義と実感のズレや、実際に上京した人たちの声をもとに都会の境界線について考えていきます。
あなたの都会感覚はみんなと同じでしょうか?それとも独自の基準がありますか?
もくじ
都会ってどこまで?SNSでも尽きないこの議論
「この駅を越えたら田舎」「〇〇線は全部都会」など、都会と田舎の境界線をめぐる議論はいつの時代も絶えません。
特にSNSではどこが都会でどこが田舎かという投稿がたびたび話題になり、数千件ものコメントがつくこともあります。
なぜこれほど議論になるのでしょうか。それは、都会の定義が人それぞれで、明確な基準がないからです。都心への距離や人口密度といった客観的な数字よりも、街の雰囲気や利便性など感覚的な要素で判断していることが多いのです。
まずは、人々がどこで都会と判断しているのか、その感覚的なラインを探ってみましょう。
都会はどこまで?みんなの”感覚的ライン”を聞いてみた
都会かどうかを判断する基準は、人によって本当にさまざまです。駅前の景観、カフェの種類、人の多さ、店舗の充実度など、何を重視するかによって都会ラインは大きく変わります。
ここでは、多くの人が意識的・無意識的に感じている都会の条件について、SNSでの議論やアンケート結果をもとに紹介していきます。
以下の4つの視点から、人々が感じる都会のラインを探っていきましょう。
- SNSでバズる都会・田舎論争
- 駅前の景色がカギになる
- スタバの有無が象徴になりがち
- 人の多さや街のにぎわいで判断する人も
SNSでバズる都会・田舎論争
「山手線の外側は田舎」「23区を出たら地方」といった極端な意見から「スカイツリーが見えるエリアは都会」「ファミレスより個人店が多い場所が都会」など独自の基準まで、SNS上では実にユニークな都会判定基準が飛び交っています。
特にXでは「東京23区なのに田んぼがある」という投稿に対して「それでも都会」「いや、それは田舎」と議論が白熱することもあります。
都会育ちの人にとっては自然が少しでもあると田舎に感じる一方、地方出身者は「それでも十分都会」と感じるギャップが論争を生むのです。
また「このコンビニの組み合わせは都会」「この店がある地域は間違いなく都会」といったチェーン店の有無で判断する投稿も定期的に話題になります。
駅前の景色がカギになる
多くの人が無意識に判断している『都会度』の指標として、駅を出てすぐの景観が重要な要素となっています。大きな駅ビルがあるか、高層ビルが見えるか、歩行者天国があるかなどは、第一印象を大きく左右します。
地方の中核都市でも「駅を出た瞬間にガランとしている」と途端に田舎感が増すという声も。反対に、駅前が混雑していて人の流れが絶えないと、それだけで都会っぽく感じる人も多いようです。
「駅前に広場や公園ではなく、すぐに商業施設がある」「歩道が広くて整備されている」といった細かな点を都会の条件として挙げる人も少なくありません。
スタバの有無が象徴になりがち
「この街にスタバができた!」と喜ぶ声は、地方ではよく聞かれるものです。実際、スターバックスの出店は「都会化」の象徴として捉えられることが多く、「スタバがある=都会っぽい」というイメージは根強いようです。
逆に、ドトールやベローチェしかないエリアは「ちょっと郊外感がある」と感じる人もいます。また最近では、インスタ映えするおしゃれなカフェの有無も、若い世代にとっては重要な判断材料になっているようです。
「チェーン店の種類で都会度がわかる」という意見もあり、高級ブランドショップやオーガニック食品店などが集まるエリアは、より都会のイメージが強まる傾向があります。
人の多さや街のにぎわいで判断する人も
平日の昼間でも人通りが多いこと、休日になると歩くのも大変なほど混雑することなど、人の多さで都会かどうかを判断する人も少なくありません。
商店街が活気にあふれているか、シャッターが閉まっている店が多いかでも印象が大きく変わります。特に「人酔い」するほど混雑している街は、間違いなく都会ラインを超えていると感じる人が多いようです。
また「夜遅くまで明るく、人が歩いている」ことも都会の重要な特徴。地方では夜8時を過ぎると人通りが少なくなる場所も多いですが、都会では夜中まで活気があることが当たり前とされています。
行政的に見ると都会の境目ってここらしい
感覚的な都会ラインとは別に、行政や統計上でも都市と地方を区分する基準があります。ただ、こうした公式な定義と実感にはしばしばズレが生じることも事実です。
ここでは、行政的に見た都会の定義と、それに対する一般的な感覚のギャップについて見ていきましょう。
行政的な区分から見た都会の範囲を4つの視点で解説します。
- 都市圏の定義とは?
- 首都圏ってどこまで?
- 東京23区=都会じゃないって本当?
- 地図上で線引きされる都会の限界
都市圏の定義とは?
行政上の都市圏は、主に中心地への通勤・通学者が人口の一定割合(1.5%以上)を占めるなどの指標で決められています。つまり、東京や大阪などの大都市への通勤圏も含まれるため、かなり広範囲になります。
総務省の定義では人口集中地区(DID)という概念もあり、「人口密度が4,000人/km²以上の国勢調査の基本単位区が連たんし、合計人口が5,000人以上となる地域」とされています。
しかし自然が多く静かな地域でも、通勤圏内なら都市圏に含まれることがあり、実際に住んでいる人の感覚とはズレが生じやすいのです。
首都圏ってどこまで?
法律上の首都圏は、1都7県(東京・埼玉・神奈川・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨)と定められています。これは「首都圏整備法」に基づくもので、かなり広範囲にわたります。
しかし「首都圏=都会」とは必ずしも言えません。たとえば山梨県や茨城県の山間部は、首都圏でありながらも豊かな自然に囲まれた田園風景が広がる地域も多いのです。
一般的には「首都圏」といっても、都心から30km圏内や電車で1時間以内の地域を想像する人が多く、行政的な区分と一般感覚には大きなギャップがあります。
東京23区=都会じゃないって本当?
東京23区内であれば間違いなく「都会」と思われがちですが、区によって都会らしさには大きな差があります。港区や渋谷区、新宿区などは高層ビルが立ち並ぶ「ザ・都会」のイメージが強い一方、練馬区や葛飾区などは住宅街の印象が強く、田園風景が残る場所もあります。
23区内でも「下町」と呼ばれるエリアは、高層ビルが少なく、昔ながらの商店街や低層住宅が中心となっているため、人によっては「都会っぽくない」と感じることもあるでしょう。
同じ23区内でも、繁華街からの距離や交通の利便性によって『都会度』は大きく変わってくるのです。
地図上で線引きされる都会の限界
都道府県や市区町村で区切ると「都会」に分類されても、実際に住んでみると田舎の雰囲気が強い場所も少なくありません。最寄り駅からの距離や公共交通機関の充実度、徒歩圏内の店舗数など、地図だけではわからない要素が「都会感」には大きく影響します。
「都会かどうか」は、実際に足を運んでみないとわからない部分が多いのが現実です。同じ市内でも、駅前と郊外では全く雰囲気が異なることもあります。
また、道路の幅や歩道の整備状況、建物の高さなど、都市としての成熟度も都会らしさに影響します。地図上の区分だけでは、こうした細かな違いを把握することは難しいのです。
都会ってどこまで?上京女子がリアルに感じた”ここから都会”
実際に地方から東京に移住した人たちは、どこで「都会に来た!」と実感するのでしょうか。
ここでは、上京経験者たちの声をもとに都会判定の決め手となった要素を紹介します。
地方と東京の違いを肌で感じた人ならではの、リアルな都会ラインが見えてくるかもしれません。
上京者が感じた都会のラインを、以下の3つの視点から見ていきましょう。
- 〇〇線ユーザーってだけで都会扱いされた話
- 〇〇区は都会?田舎?ギリギリラインを探れ
- 徒歩で暮らしが完結する場所は都会っぽい
〇〇線ユーザーってだけで都会扱いされた話
「どこに住んでるの?」と聞かれて「山手線沿線です」「中央線沿線です」と答えると、「おお、都会だね!」と反応されることが多いようです。逆に西武線や京王線など、都心から少し離れた路線名を告げると「へえ、そっちなんだ」といったやや控えめな反応になることも。
実際には同じ路線でも、都心に近い駅と郊外の駅では景観も雰囲気も大きく異なりますが、なぜか路線名だけで都会度が判断されがちです。
「乗り換え駅の多さ」も都会度の指標になることが多く、複数の路線が乗り入れる駅の周辺は、それだけで都会的なイメージが強まります。上京したての頃は「いくつの路線が通っているか」が会話の話題になることも多いようです。
〇〇区は都会?田舎?ギリギリラインを探れ
東京23区内でも、どの区に住んでいるかで『都会度』の印象は大きく変わります。
港区、渋谷区、新宿区、千代田区などは間違いなく「都会」扱いされる一方、板橋区、葛飾区、練馬区、足立区あたりになると「うーん…」と微妙な反応をされることもあるようです。
「23区内だから都会でしょ」と思っていても、「それって東京の端っこじゃん」と言われてショックを受けたという上京組の声も。
区名の響きだけで勝手に判断されることもあり、上京者にとっては「本当に都会に来た気分になれているのか」という悩みの種になることも。
一方で「下町情緒が残る区」は、むしろそのノスタルジックな雰囲気が魅力で選ぶ人も多く、必ずしも『都会度』だけが住みやすさではないという声も多く聞かれます。
徒歩で暮らしが完結する場所は都会っぽい
上京者が「都会に来た!」と実感する重要な要素として、「徒歩圏内で生活のほとんどが完結する」という点が挙げられています。
駅が近く、スーパー、カフェ、ドラッグストア、病院などが徒歩圏内にそろっている環境は、地方出身者にとって「最強の都会」と感じられるようです。
反対に「駅から遠い」「バスに乗らないと出られない」というエリアは、たとえ23区内でも「なんか田舎っぽい」と感じる声も。実際、車がなければ不便な地域は、いくら行政区分上「都会」であっても、生活感覚としては都会らしさを感じにくいようです。
また「24時間営業の店が多い」「深夜でも人通りがある」といった点も、上京者が「都会だ!」と実感するポイントとして挙げられています。
上京後に都会に住んでると実感したいなら
都会の定義は、実は人によって大きく異なります。見た目や景観、にぎわい、利便性、住民のライフスタイルなど、さまざまな要素が複雑に絡み合って都会感を形成しているのです。
大切なのはどこが正解かではなく、自分が気持ちよく暮らせる場所かという点です。都会暮らしに憧れる気持ちは自然なものですが、必ずしも最も都会的な場所が自分に合うとは限りません。
都心の便利な立地に住むことで都会に住んでいるという実感を得たい人もいれば、程よく自然が残る住宅地で落ち着いた生活を送りたい人もいるでしょう。
自分のライフスタイルや価値観に合った都会を選ぶことが、より充実した生活につながります。
まとめ
都会の定義は、人それぞれであることがわかりました。行政的な区分、駅前の景観、店舗の種類、人の多さなど、さまざまな要素で都会かどうかを判断していることが見えてきました。
特に上京経験者にとっては、都会に来たと実感できるかどうかは大きな関心事です。路線名や区名だけで判断されがちな都会度ですが、実際の生活感覚はもっと複雑な要素が絡み合っています。
結局のところ、どこからが都会かという答えは一つではありません。大切なのは、自分自身が住みやすいと感じる環境を見つけることです。
都会ラインの議論は尽きませんが、それぞれのちょうどいい都会を見つけられることが、理想的な住環境への第一歩なのかもしれません。