

就職と同時に上京してきました。
今は丸の内の不動産会社で営業マンをしている"マミ"です。
上京を考えるとき、『関東』と『首都圏』という言葉をよく耳にしますが、この二つの違いを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
どちらも東京を含む地域を指していますが、範囲や特徴はかなり異なります。エリア選びは、通勤・通学の快適さ、家賃、生活スタイルなど、あなたの毎日に大きな影響を与える重要な決断です。
東京近郊といっても、都心に近い便利なエリアから、自然豊かでのんびりとした地域まで、さまざまな選択肢があります。
この記事では、関東と首都圏の違いを解説し、あなたのライフスタイルに合ったエリア選びのヒントをご紹介します。
上京前に知っておくべき基礎知識として、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
関東とは?
「関東」という言葉は日常会話でもよく使われますが、正確にはどこを指しているのでしょうか。その範囲と特徴を確認していきましょう。
関東地方は、日本の地域区分のひとつです。日本列島を大きく分けたときの地方名称で、東日本に位置する平野部を中心とした地域を指します。この区分は、歴史的背景や地理的特徴に基づいて形成されてきました。
関東地方に含まれるのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県の7都県です。
この7都県をまとめて「関東地方」と呼びます。東京都を中心に、南は神奈川県、西は埼玉県と群馬県、北は栃木県、東は千葉県と茨城県という位置関係になっています。
気象予報や統計、学校の地理の授業などでは基本こちらの分け方が採用されています。テレビの天気予報で「関東地方の天気」と言うときは、この7都県のことを指しています。
また、全国を9地方に区分する「地方区分」でも、この7都県が関東地方として扱われています。
重要なのは、山梨県や静岡県は関東には含まれないことです。山梨県は甲信越地方、静岡県は東海地方に分類されるのが一般的です。
「東京の近くだから関東では?」と思われがちですが、地理的区分としては別の地方になります。ただし、後述する「首都圏」の定義では、これらの県の一部が含まれることもあります。
“首都圏”って何?
「首都圏」という言葉も広く使われていますが、「関東」とはまた違った意味を持っています。その定義と範囲を見ていきましょう。
首都圏とは、首都(東京)を中心とした広域都市圏のことです。単なる地理的区分ではなく、東京という都市を中心として形成された経済圏や生活圏という意味合いが強くなります。
通勤・通学などで東京とつながりのある地域を包括した概念と言えるでしょう。
首都圏の定義には大きく分けて2種類あることを知っておくと便利です。一つは法律で定められた定義、もう一つは一般的な会話で使われる定義です。
第一に、首都圏整備法上の首都圏は、1都3県+周辺の一部を指します。
具体的には、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県に加え、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県などの一部地域が首都圏整備法で定める首都圏に含まれています。これは都市計画や行政的な観点からの区分です。
一方で、【一般的な会話での首都圏】は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県を指すことが多いです。
特に不動産情報や就職情報などで「首都圏」と言う場合は、この1都3県を指すことがほとんどです。東京への通勤・通学圏という実用的な観点から、このような使い方が定着しています。
つまり、首都圏は東京に近い都市圏エリアという意味合いが強いのです。東京駅から電車で1〜2時間程度でアクセスできるエリアが、一般的な感覚での「首都圏」と言えるでしょう。
JRの「首都圏エリア」の定義も、この感覚に近いものになっています。
関東と首都の違い
上京するときに首都圏と関東の違いを知っておくと、エリア選びが少しラクになります。
- エリアの違いはこんな感じ
- 上京女子にとっての”違い”はココ!
エリアの違いはこんな感じ
関東と首都圏、具体的にどの地域が含まれるのか、表にまとめてみました。
区分 | 含まれる都県 |
関東 | 東京都・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬・茨城 |
首都圏 | 東京都・神奈川・千葉・埼玉(+山梨の一部) |
関東地方は7都県すべてを含む広いエリアです。東京都を中心に、神奈川県、千葉県、埼玉県の南関東と、栃木県、群馬県、茨城県の北関東を合わせた地域全体を指します。
地理的・歴史的な区分であり、関東平野を中心とした一つの地方という意味合いです。
一方、首都圏は主に1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)を指すことが多いです。これは東京への通勤・通学が現実的に可能な範囲という実用的な観点からの区分です。
法律上は山梨県の一部なども含まれますが、一般的な感覚では1都3県を首都圏と呼ぶことが多いでしょう。
関東は少し広めの範囲を、首都圏は東京通勤圏を指すイメージです。例えば、栃木県や群馬県は関東地方ではありますが、東京まで通勤するのは現実的でない地域も多く、一般的には首都圏とは呼ばれにくいです。
逆に、山梨県の大月市や上野原市などは関東地方ではありませんが、東京へのアクセスが良いため、首都圏整備法では首都圏に含まれています。
上京女子にとっての”違い”はココ!
関東と首都圏の違いは、上京を考える女性にとって実際の生活にどう影響するのでしょうか。
首都圏はアクセスがよく・選択肢が多めで、都会的で便利なエリアです。東京へのアクセスが良いため、仕事やショッピング、エンターテイメントなど、あらゆる面で選択肢が豊富です。
電車の本数も多く、深夜まで運行していることが多いので、仕事が遅くなっても、友人との食事を楽しんでも、帰宅しやすい環境が整っています。
一方、関東(特に北関東)は自然が多めで、家賃がかなり安いのが特徴です。栃木県、群馬県、茨城県などの北関東エリアは、首都圏に比べて家賃が半額程度になることも珍しくありません。
同じ予算でより広い部屋に住めたり、余裕のある生活ができたりするメリットがあります。また、自然が豊かで、のんびりとした環境で暮らしたい方には適しています。
つまり、仕事をバリバリしたいか、のんびり暮らしたいかで選ぶエリアが変わってくるということです。キャリアを追求したい、流行の最先端を楽しみたいという方には首都圏が、ゆとりのある生活、自然のなかでの暮らしを重視する方には関東の郊外エリアが合っているかもしれません。
予算と生活スタイルのバランスを考えながら、自分に合ったエリアを選ぶことが大切です。
都会派?のんびり派?エリア選びのヒント
上京する目的や性格によって、合うエリアは違います。
自分のしたい暮らしに合わせて、首都圏か関東のどこが自分に合うのか、じっくり検討してみましょう。
- 仕事・チャンス重視なら首都圏がおすすめ!
- 家賃を抑えて余裕のある暮らしなら北関東
- バランス重視なら埼玉・千葉の中間エリア
- オシャレ&便利重視なら東京or横浜
仕事・チャンス重視なら首都圏がおすすめ!
キャリアを重視する方や、さまざまな可能性を追求したい方には、首都圏エリアが適しています。
求人が多いのはやっぱり首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)です。特に東京23区内は、大手企業の本社が集中しており、求人数も全国でトップクラスです。
業種も多岐にわたり、専門職や外資系企業の求人も豊富です。また、神奈川県の横浜・川崎エリアや、埼玉県のさいたま市、千葉県の幕張・柏エリアなども企業が集積しており、就職先の選択肢が多いです。
首都圏では、やりたいことに出会える可能性も高いのが魅力です。セミナーやイベント、交流会など、新しい学びやネットワーキングの機会が豊富にあります。
また、趣味やスキルを活かせるアルバイトや副業の機会も多く、自分の可能性を広げやすい環境と言えるでしょう。
特に、転職・キャリアアップ・副業など成長したい女子にはぴったりのエリアです。首都圏は情報が集まる場所であり、最新のトレンドやスキルに触れる機会が多くあります。
また、同じ志を持った仲間と出会う機会も多く、互いに刺激し合いながら成長できる環境です。通勤時間が短ければ、その分自己投資の時間にも充てられるでしょう。
ただし、便利さと引き換えに家賃は高くなる傾向があります。東京23区内や横浜市中心部では、ワンルームでも8万円以上することが珍しくありません。
予算と相談しながら、適切なエリアを選ぶことが大切です。
家賃を抑えて余裕のある暮らしなら北関東
予算を重視する方や、ゆとりのある生活空間を求める方には、北関東エリアがおすすめです。
栃木・群馬・茨城は家賃が比較的リーズナブルです。東京23区内のワンルームと同じ家賃で、北関東では1LDKや2DKなどの広い部屋に住めることも多いです。
例えば、宇都宮市や前橋市、水戸市などの県庁所在地でも、ワンルームなら3〜5万円台で見つかることが多いです。これは首都圏の半額以下になることもあり、大きな魅力と言えるでしょう。
広い部屋に住みたい・静かに暮らしたい人には向いているエリアです。都会の喧騒から離れ、自然が近い環境で暮らせます。また、部屋が広ければ趣味のスペースも確保しやすく、リモートワークをする際にも快適な環境を整えやすいでしょう。
食費や娯楽費なども首都圏より安いことが多く、生活全体にゆとりが生まれやすいです。
ただし、通勤・通学は少し遠くなる可能性もあることは覚悟しておく必要があります。例えば、栃木県の宇都宮市から東京駅まで電車で約1時間40分、水戸市からは約2時間かかります。
東京に毎日通勤するのは現実的ではないため、地元での就職や、リモートワークが可能な仕事を見つけることが重要です。
地方都市ならではの魅力もあります。地域のお祭りや伝統行事、豊かな自然を活かしたアウトドア活動など、都会では味わえない体験ができるでしょう。
車があればさらに行動範囲が広がり、充実した生活が送れます。
バランス重視なら埼玉・千葉の中間エリア
都会の便利さと郊外の住みやすさ、両方を求める方には、埼玉県や千葉県の中間エリアがおすすめです。
都心まで1時間以内&家賃控えめの穴場が多いのが、このエリアの特徴です。
例えば、埼玉県の川越市や所沢市、千葉県の船橋市や柏市などは、東京駅や新宿駅まで電車で30分〜1時間程度でアクセスできます。家賃も東京23区内より2〜3万円程度安く、コストパフォーマンスに優れています。
買い物も便利で、ほどよく静かで安心感ありという点も魅力です。これらの地域には大型ショッピングモールやスーパー、飲食店なども充実しており、日常生活に不便はありません。
また、治安も比較的良く、ファミリー層も多いため、安心して暮らせる環境が整っています。
都会も自然も楽しみたい人にぴったりな”いいとこ取り”エリアと言えるでしょう。
平日は都心に通勤し、休日は地元で買い物やカフェを楽しんだり、少し足を伸ばして自然豊かな場所に出かけたりと、バランスの良い生活が送れます。
例えば、埼玉県からは秩父方面、千葉県からは九十九里や房総半島などに気軽に行けることも魅力です。
オシャレ&便利重視なら東京or横浜
トレンドやおしゃれな雰囲気、抜群の利便性を求める方には、東京23区内や横浜市中心部がぴったりです。
都心23区や横浜はおしゃれで刺激たっぷりの環境です。最新のファッションや食、カルチャーの発信地として、常に新しい刺激に触れることができます。
原宿や表参道、代官山などのおしゃれなエリアや、横浜のみなとみらい、元町・中華街など、休日のお出かけスポットも豊富です。
アクセス、トレンド、グルメ、すべてが揃っているのも大きな魅力です。電車の本数が多く、どこへ行くにも便利なのはもちろん、ショッピングやグルメ、エンターテイメントなど、あらゆる面で選択肢が豊富です。
人気店の新店舗やポップアップストアなども多く、トレンドの最先端を体験できます。
ただし、その分、家賃や生活費はちょっと高めなので、コスパと相談することが大切です。特に人気エリアでは、ワンルームでも10万円を超えることも珍しくありません。
また、食費や交際費なども郊外に比べると高くなりがちです。収入とのバランスを考えながら、適切なエリアと物件を選ぶことが重要です。
関東と首都圏、どっちが合う?自己診断しよう
エリア選びに迷ったときは、まず自分がどんな暮らしをしたいのかをじっくり考えてみることが大切です。
通勤時間はどれくらいまで許容できるか、予算はいくらまでなら出せるか、どんな仕事をしたいのか、休日はどう過ごしたいのか。こういった具体的な生活イメージを描くことで、自分に合った場所が見えてくるはずです。
自分が優先したいことを整理することが、エリア選びの第一歩です。何を一番大切にしたいのか、自分自身の価値観を明確にしましょう。家賃の安さを重視するのか、駅からの近さにこだわるのか、職場への近さが大事なのか、それとも趣味を楽しめるエリアかどうかが重要なのか。
それぞれの優先度を考えることで、選択肢が絞られてきます。
理想の条件をすべて満たす物件を見つけるのは現実的には難しいので、譲れない条件と妥協できる条件を分けて考えることが大切です。すべての希望を叶えるのは難しいですが、優先順位をつければ選びやすくなります。
例えば、「駅から10分以内」「家賃7万円以下」「オートロック付き」など、絶対条件を3つほどに絞ると良いでしょう。
具体的なイメージをつかむために、地図を見ながら実際の通勤ルートや家賃相場をチェックしてみることもおすすめです。
インターネットの不動産サイトで家賃相場を調べたり、乗換案内で通勤時間をシミュレーションしたりすると、より具体的なイメージが湧きます。また、可能であれば実際に足を運んで、街の雰囲気や治安、買い物環境などを確認するのも良いでしょう。
最終的には、自分のライフスタイルや価値観に合った場所を選ぶことが大切です。
「都会の便利さとにぎわいが好き」「静かな環境でゆっくり過ごしたい」「バランスの取れた生活がしたい」など、自分の望む暮らし方に合わせたエリア選びを心がけましょう。
まとめ
関東と首都圏、この2つの言葉の違いと特徴を理解することで、上京時のエリア選びがより明確になることがおわかりいただけたでしょうか。
関東は7都県からなる広い地域区分であり、首都圏は東京を中心とした通勤・通学圏を指すことが多いです。この違いを踏まえつつ、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことが大切です。
エリア選びのポイントをおさらいすると、仕事やキャリアを重視するなら東京を中心とした首都圏が、家賃の安さや広い生活空間を求めるなら北関東が、バランスを重視するなら埼玉や千葉の中間エリアがおすすめです。
どのエリアにも一長一短があり、自分の優先順位に合わせて選ぶことが重要です。
最後に、エリア選びで悩んだときは、「今の自分にとって何が一番大切か」という原点に立ち返ることが大切です。
便利さ、家賃、環境、人間関係など、さまざまな要素がありますが、自分の価値観に素直に従って選ぶことで、より充実した上京生活を送ることができるでしょう。
新しい環境での生活が、あなたにとって実りある素晴らしいものになることを願っています。